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  • 執筆者の写真森田葵/あおいも

リノベーションに踏み切るまで

自邸のリノベーションを計画中です。


題して、「ちいさきものの家」。

住む人間(つまり私)が小さいということと、

家の大きさが小さいということ、

そして都市の中で、個人という小さな生き物が、自分の居場所をみいだす、

そんな意味を込めています。



場所は都内、新宿区のマンションの一室。

縁あって、オーナーさんの快諾により、今回の計画をスタートさせました。

実は、前回作っていた模型は、このプロジェクトのものです。


既存の建物は、

室面積が約39㎡、

間取りはいわゆる1LDK。


この「××LDK」という言い方、我々はあまり使わないので慣れないのですが、

キッチンのあるダイニングルームと、

仕切られた個室が一つある間取りです。


ネットで検索してみると、

このサイズは

一人暮らしにはゆったり大きめ、

二人暮らしにはちょっと小さめ、

といったところのようです。


いずれにせよ、リノベーションするなら長く住みたい、

それなら将来のことも考えて…

となると、少し気になる広さです。


また、もう一つの事情として、

自宅できちんと仕事ができるスペースが欲しい、

ということもありました。


そんなわけで、計画当初は部屋全体のリノベーションではなく、

賃貸物件でもできるような、

壁一面の本棚と、大きなダイニングテーブルを作ろう、というだけの簡単なものでした。

テーブルも本棚も、きちんと固定しつつ、取り外しや移動可能なように。


でも、そんな折、ふと余計な考えが浮かびます。


そんなにすぐに、ここから移動するだろうか?

移動するといっても、どこへ?

転勤も別にないし、しばらくはこのままにするんじゃなかろうか…


そして部屋を見渡してみると、他にもいろいろ気になることが。


窓が、ベランダ側の一方向にしかありません。

しかも、掃出し窓です。

どうにも家具が置きにくいし、居心地もイマイチ締まりません。


浴室に、もちろん窓はありません。

朝起きて、暗い洗面所へ行き、わざわざ照明をつけて顔を洗うなんて、

とても憂鬱です。


天井や壁がごちゃごちゃしている。

この話は、ちょっとわかりにくいかもしれません。

以前、シカゴに住む友人の家(マンションの一室)を訪ねた際、

天井の美しさに衝撃を覚えたことがあります。


日本では、地震もあり構造材が大きかったり、配管のためだったり、

天井が端から端まで平らでなく、あちこち下がっていたり、変な段差になっていたりします。

その段差を利用して、照明器具を仕込んだりすることもありますが、

残念ながら私の好みではありません。


これらは、マンション暮らしではどれも当たり前のこと、かもしれませんが…。


そんなわけで、悩むこと数年、

全面的なリノベーションをやってみよう、と気持ちが固まってきました。

狭さの心配は、出来るだけ工夫して広く感じられ、使えるように。

贅沢はせずに、必要な要素を厳選して抽出するように。


頭の写真は、玄関扉を開けた、土間からの眺めです。

素材や壁の配置の工夫によって、

仄暗い入口に、淡い光が引き込まれる。


帰ってきて、扉を開けた瞬間から、安堵するような玄関となってほしいものです。


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