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あおいも 一級建築士事務所

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古民家の解体現場へ

2024.3.23

鎌倉で、古民家の解体現場に呼んでもらいました。伺ったのは、築80年程度のお宅です。
目的は、解体する建物から部分的に材料を回収させてもらい、再利用できるようにレスキューするためです。
設計の仕事とは別に、古民家の活用、材料のレスキューもやりたいなと考えており、仲間と色々とトライしております。

本日の作業は、床の間周りの造作材。床板、違い棚、框材など。

作業前。こちらの板類を、レスキューします。

通常、解体といえば重機で壊してしまうのですが、材料を傷つけないため「きれいに」壊すのは大変です。
基本的には手作業なので、マンパワーと時間がかかります。
バールや重量の違うハンマーなどを使い地道に。

大変ですが、解体作業はとても勉強になって面白いです。
どうしてこうなってるんだろう?と考えるのは、謎解きのようでもあります。

壊してみてわかる継手や組み方の技のすごさ。
蟻継ぎが多く使われていて、板の裏には反り止めの吸い付き桟、抜け止めに三角形のホゾ。
作るときと手順が逆なので、立体パズルのようで外すのは本当に大変です。それだけ、抜けにくいということですね。

年数が経った建物の傷み具合。
今回のお家は、ずっと大切に手入れされていたのでとてもきれいでした。
石場建てという工法で、現在の住宅のようなコンクリートの基礎はなく、床に潜り込めば下は土になっています。
が、イメージと違い湿り気はなく、風が通り抜けてとってもさわやかでした。木に腐れもほとんどありません。

今回は造作材の限りにおいてですが、壊さずに外そうと頑張った作業の結果、
釘を使わずにホゾ加工など木組みだけで作ると、
地震の揺れに対して木のめり込みで吸収し、割れたり外れたりしにくいような効果もありそうに感じました。
(釘の部分は、揺らしたり曲げたりすると折れてしまいました。)

さて、作業2時間半で、目標の材料を外し終わりました。
シンプルな体力勝負と、意外と頭を使いました(主に仲間が)。

この後の日程で、構造材も一部回収予定です。

土壁をはがし、下地を発掘して取り外す。
床板の下で、框との固定に使われていた材。
作業完了後

できれば、建物をそのまま残して使えたら一番いいなと思います。
大工さんの造作は工夫がいっぱいで、今ではなかなか手に入らないような良材も使われているし、
年月が経って古びた味わいは、時間を掛けることでしか得られないもの。
とはいえ使う人がいないと建物のメンテも大変で、壊さざるを得ない時もあります。

できれば性能を良くして長く使う改修工事をしたり、
移築するという手もありますが、どうしても残せない時には材料の救出と再利用、
色々と方法を勉強&トライしていくつもりです。

空き家で困っている方、何かできることがあるかもしれないので、
良かったら相談してみてくださいね!

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